

「シャーデンフロイデ」とは、
他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感のこと。
成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾し、
喜びに浸る。
実はこの行動の根幹には、
脳内物質「オキシトシン」が深く関わっている。
オキシトシンは、母子間など、
人と人との愛着を形成するために欠かせない脳内ホルモンだが、最新の研究では「妬み」感情も高めてしまうことがわかってきた。
なぜ人間は一見、非生産的に思える「妬み」という感情を他人に覚え、その不幸を喜ぶのか。
現代社会が抱える病理の象徴
「シャーデンフロイデ」の正体を解き明かす。
中野 信子
東京都生まれ。
2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。東日本国際大学教授、京都芸術大学客員教授。医学博士。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。